人間一年生

自分の前世は何だったのだろう。誰しも一度は考える事だ。我が家では昔からよく前世の話になる。
最初は生命体は皆、小さな生き物、虫などから始まって、徳を積み上げる事で徐々に人間に近づいて転生していくという仮説が我が家には定着している。
家族でこの世に合流したのは奇跡だとしか言いようがない、それぞれ様々な徳を積んで転生を繰り返しやっとの思いで人間にこの現代に生きている。
嫁の家はその昔、代々山伏だったようで、あながち信ぴょう性のある親戚筋達の情報もあることから
前世も山伏だと言い張る。前世も同じ家系の中に居たかなんてわからないのに、勝手な言い分だと思いながらも、自分にはそんな家系のルーツを長年辿れる証がない。そんな食事の時の定番的なやり取りを思い出していた。

「人間一年生の顔をしている」嫁には私はそう言った。
嫁は前世も人間(山伏など)を経験し何度も人間を歴任してきたため、未熟な自分が手に取るようにわかるようだ。私は長年色々な生き物として生きてきて、ゴキブリも味わった挙句、今やっと人間に転生できた人間一年生だそうだ。

今私は船に乗っている、知り合いが所有している船に乗せてもらっている。友達とワイワイみんなで魚を狙っている。
狙った魚以外は鯖や、鯛、小さな魚は色々な魚を海に(リリース)戻した。釣り針を抜いて、そっと海に魚を返した小さな魚が
深い青の海にゆっくり消えて行った。人間一年生まではまだまだ遠い道のりである。。。

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