雨乞いのイチョウに会いに行く。
今日は宮城県仙台市、県全域に渡って30度を超える真夏日となった。
東京に住んでいた時は36度〜38度を経験していたので、30度付近の気温は秋の足音すら感じていたはずなのだが、住めば都。東北の夏も全くもって暑い。茹るような暑さに耐えきれずか、本能で高い場所へと向かうことに。
今日もハンターカブCT125マットフレスコブラウンは陸奥の細道をひたすら突き進む。
道中の蝉や、ひぐらし、すいっちょんなど、夏虫たちの大合唱をBGMにトコトコと田園地域、林道をひた走る。
姿を現した巨樹に一礼し、記念撮影。山を登り切った場所に雄大な姿を目にすることができる。
眼前に広がるのは仙台平野の田園地帯。樹齢600年を超える先輩は激動の時代を見届けてきた。
伊達政宗の米政策も、この雨乞いあっての豊作だったに違いない。
この雨乞いの所有者の方、もしくは近隣住民の方々が用意してくれたと思われる素敵な石のテーブル、椅子があり、イチョウが黄色に色づく頃、ここで、お茶をするイメージが舞い降りた。
昨年親父が亡くなってしまったが、元気なうちに、こういう近所のちょっとしたスポットにもっと一緒に行けばよかったなぁと後悔。贅沢したり、奮発したり、お金や時間をさほどかけなくとも人間というのは多幸感をたくさん得ることができます。古来、人間は会話やコミニケーションで文明を築き上げこの現代、近代を生み出しました。読者の皆さんでご両親が健在な方は、できるうちに、思い立ったうちにたくさん色々な思い出を作ってあげてください。
ちょっと、壮大なイチョウを見ていたら、なんだかそんなセンチな気分にさせてもらった。
次来るときは、奥さんを連れて、彼女が好きな団子や茶菓子を持って、水筒にお茶を淹れてこの木下で時間を共有したいと誓うのだった。
都心部に住んでいて、結婚し、いざ、子供をを授かると、田舎で子育てをしたいなって感じることが多かった。その理由の大きい要因として、実際自分が子供の時に、親、親の兄弟、親戚連中全員が田舎育ちの人たちの中で育ったということが挙げられる。
逆説的にだが、都会生まれの都会育ちという大人にあまり触れる機会がなかったから、都会での子育てに疑念や、不安、やっていけるか自信がないなど、疑問が生まれやすいのかな。
都会の生活や仕事に馴染めなくて、移住を考えている人。これから家族を持って田舎に移住したいという方、住宅購入を考えている方。購入の前にこうして、実際にその土地に降りて、人の声や地形や歴史をバイクでトコトコ走って見るのは情報量がめちゃくちゃ多いのでお勧め。
家を買うなら田舎派、都心派、副都心派などの記事はまた別途書きたいと思う。
イチョウの周りに時折吹いた強い風は下界の風とは違って、涼しく、爽快に体を抜けていった。
侍や、旅人、農民や動物も、きっと数百年前も、涼みに来ていたと確信した。