歯医者さんで

死ぬかもしれない。
そう感じたことがある方多いと思います。
先日、仙台の自衛隊基地に友人に会いに行った際、敷地内に建てられた看板を思い出していた。

仙台苦竹駐屯地の掲示物

今を感じてください。
太陽の暖かさ 大空の青さ
風のささやき 大地の匂いを

誇りに思ってください。
戦士であること情熱と信念があること
伝統を継承できることを

心がけてください。
謙虚でいること 誠実で前向きなこと
他人を想い感謝することを

思い出してください。
最愛なる家族 そして両親兄弟を
決して一人でないことを

我々は仲間であり家族です
今を笑顔と絆で力強く

私は歯医者の診療ベットに横たわりながらそんな事を考えていた。
人が死を覚悟したような文脈。解釈は人それぞれだけど、今を笑顔と絆で。
大きく進行してしまった虫歯の”神経摘出治療”を宣告されたときに、この文章を思い出していた。

これをみた時に、国や国民のために体を張る自衛隊員の日々の努力と、覚悟を感じ。
どこか神風特攻隊に向けたような、メッセージにも聞こえて、胸を締め付けられるような思いだった。

そして、レストラン”EVANS89"で演奏した友部正人さんの SPEAK JAPANESE AMERICANを思い出した。

友部さんの奥さんと一緒のテーブルで、友部さんの演奏を聞いたのだが
私のデザインしたTシャツをステージ衣装にして歌って下さった。
「なかなか友部はあんなことしないわよ」と、私を奥さんは褒めてくれた。
そして「頑張って」と私を励ましてくれた。そして友部さんは一本道を歌った。

友部さんのギターと歌、食器とナイフフォークが触れ合う音を曲のアクセントに最高のステージだった。

駐屯地にあったメッセージ、
友部さんの曲。なんだか、頭の中で巡って
家族のことを思い出していました。
今日が私の最後の日になる可能性がある。
私はちょっと先端恐怖症、麻酔の針、様々なドリル工具
体内に入ってくる麻酔。昔から歯医者は恐怖スポットだ。

先生が「ちょっと痛いので頑張ってください。」
歯茎に麻酔を刺し、麻酔液がじわじわ大量に顔に入ってくる感覚を感じていた。
もし、この麻酔の量や、中身が間違っていたら。。。。

先生は、物々しいドリルを片手に「痛みを感じたら左手をあげてください」
助手が私の口を手で塞がらないように支えながら、先生はドリルを私の虫歯、奥歯をガリガリと削った。
もし、この先生が反日のテロリストだったら、口の中に毒を放り込まれたら私はひとたまりもないし、
超強力な細菌類を、この歯の中から体内に注入することも容易なはずだ。
削った歯の穴に弾薬を仕込まれて爆破されたら。。。

そんなことを考えていた。

夕方、歯医者に行ってくると妻と別れた時
これが最後の別れになるとは。。。。
今ままで、たくさん迷惑をかけてしまい申し訳ない。ありがとう。

チルチルミチルが流れ、心境はクライマックス。

先生のドリルワークも終盤、神経の奥の細い箇所をゴリゴリ。

「は〜い。今日の治療は終わり。」

私は一命を取り留めたようだ。

恐怖の歯医者で、友部さんの曲や色々、忘れていたことが蘇った日だった。
まだまだ恐怖の葉の治療が続く。。

Follow me!